空き家の放置は危険?デメリットやかかる税金と売却方法についても解説

空き家の放置は危険?デメリットやかかる税金と売却方法についても解説

相続や転居など、さまざまな理由で発生する空き家は、今や日本全国で深刻な社会問題となっています。
適切に管理せずに放置してしまうと、建物の倒壊や犯罪利用のリスクが高まるだけでなく、税金が最大6倍に跳ね上がるという重いペナルティが課されることもあります。
そのため、空き家を所有する方は、こうしたリスクを回避するために、売却を含めた対策を早期に検討することが重要です。
本記事では、空き家を放置するデメリットから、固定資産税などの税金の仕組み、そして売却方法までを解説いたします。

空き家放置のデメリット

空き家放置のデメリット

所有する空き家を放置すると、建物の老朽化だけでなく、防犯や近隣関係においてもさまざまな問題が発生します。
ここでは、代表的なデメリットである「老朽化」「犯罪」「近隣トラブル」の3つの観点から、そのリスクを解説いたします。

老朽化による建物の価値低下と危険性

空き家が老朽化すると資産価値が下がり、安全性も損なわれます。
定期的な換気や修繕がおこなわれないため、湿気や雨漏りが進み、柱や梁、基礎まで傷みが及びやすくなります。
総務省の調査によると、放置空き家の約65%が旧耐震基準の建物です。
耐震性が低い建物は台風や地震で倒壊する恐れがあり、屋根材の飛散などにより近隣へ損害を与えれば所有者が賠償責任を負う可能性があります。
さらに、築45年超の木造住宅では耐震補強に約200万円前後かかるケースも多く、放置期間が長いほど改修費が膨らむ点にも注意が必要です。

犯罪の温床になるリスクと社会的問題

人目が届かない空き家は不法侵入や放火の標的になりやすく、犯罪の温床となります。
消防庁の統計によると、放火・放火の疑いは全火災の約1割を占めます。
放火が発生すると、延焼で近隣家屋へ被害が広がりかねず、周囲への被害を防ぐためにも、早期の対処が欠かせません。
とくに、夜間照明がなく低い塀で囲われた木造平屋は侵入が容易なため、自治体の巡回パトロールでも、重点的な注意喚起がおこなわれています。

近隣トラブルを招く原因としての影響

雑草や庭木が伸びて隣地に越境したり、落ち葉が雨樋を詰まらせることで損害が発生する恐れがあります。
害虫や害獣が繁殖して悪臭が生じれば地域の衛生環境が悪化し、行政指導や強制解体を招く場合もあります。
越境伐採や蜂の巣除去に要する費用は平均で数万円規模に上るうえ、近隣との関係悪化が長期的な資産価値低下を招くことも少なくありません。

空き家を放置すると税金は高くなる

空き家を放置すると税金は高くなる

空き家を所有したままにしていると、税金面で思わぬ負担が待ち受けています。
とくに、「特定空家」に指定されると、減税制度が突然使えなくなるおそれがあるでしょう。
ここでは、空き家にかかる税金と制度の仕組みを解説いたします。

固定資産税と都市計画税の基本知識

不動産を所有していると、毎年1月1日時点の所有者に対して、固定資産税と都市計画税が課せられます。
空き家であっても例外ではなく、所有している限り毎年の納税義務です。
課税評価額1,000万円の土地で住宅用地特例が適用されない場合、固定資産税は標準税率1.4%で約14万円、都市計画税は0.3%で約3万円かかります。
特例適用時にはそれぞれ最大6分の1、3分の1まで軽減されます。
ただし、住宅が建っている土地については、住宅用地の特例措置が適用され、土地にかかる固定資産税は最大で6分の1、都市計画税は3分の1まで軽減さるでしょう。
これは、200㎡以下の小規模住宅用地に適用されるもので、適用されることで税負担は大幅に軽減されます。
この特例措置は、建物の用途が「住宅」であることが条件であるため、空き家であっても住宅として機能していれば引き続き減税が認められるでしょう。
たとえ居住していなくても、適切に管理されている住宅には一定の減税効果が保たれます。
くわえて、特例の適用判定は現地調査でおこなわれるため、外観を良好に保つことが税負担軽減にも直結します。

「特定空家」による課税強化の可能性

空き家を放置すると「空家等対策特別措置法」に基づき「特定空家」に指定されることがあります。
この場合、住宅用地特例が外れ固定資産税は最大で約6倍、都市計画税は約3倍に跳ね上がります。
たとえば、固定資産税14万円だった土地が84万円になるケースもあるのです。
「管理不全空家」にとどまっても、改善が遅れれば同様に特例を失い、自治体の基準次第で急激な課税強化がおこなわれる点に注意が必要です。
特定空家の勧告を受けると、行政代執行による解体費用が上乗せ請求される事例も報告されており、事前の予防管理が重要となります。

減税特例が受けられなくなる具体的なケース

屋根や外壁が崩落した空き家は、近隣からの通報により調査がおこなわれ、「特定空家」へ指定されやすくなります。
行政指導に応じず改善しなければ、住宅用地の軽減措置は即時解除され、税負担が急増します。
建物を解体して更地にすると建物分の課税はなくなりますが、住宅用地特例も失われ土地の税額が一気に上がる点も注意が必要です。
空き家の処分を検討する際は、税制の変化と影響を踏まえて慎重に判断しましょう。
また、一時的に解体を保留して大規模修繕や用途転用をおこなうことで、特例を維持しつつ資産価値を高めた成功例もあります。

放置された空き家を売却する方法

放置された空き家を売却する方法

放置された空き家の売却では、最初に「建物を解体するかどうか」という、大きな判断が求められます。
この選択によって、売主の費用負担や、売却のしやすさが大きく変わってくるため、慎重な検討が必要です。

古家付き土地として売る場合のメリット

古家付きのまま売却する最大のメリットは、解体費用をかけずに済む点です。
木造住宅であっても、建物の大きさや立地条件によっては、解体費用が百万円を超えることも珍しくありません。
これを回避できることは、売主にとって大きな経済的メリットとなるでしょう。
また、古家付きであることで土地の利用イメージが明確になり、買主が具体的な再建築プランを立てやすいという特徴もあります。
とくに、古民家再生に関心のある層には、建物の古さそのものが魅力となることもあります。
地方自治体によっては、古民家リノベーション補助金を支給する制度もあり、補助対象地域に該当すると販売促進につながる場合もあるでしょう。

更地にして売却する際の注意点とメリット

更地にして売却すると、買主はすぐに新築工事に着手でき、再建築目的の購入者に強くアピールできます。
建物に関する契約不適合責任が生じないため、売主の負担も軽減されます。
ただし、解体費用が必要で、木造30坪ならおおむね約90万〜135万円が目安です。
さらに、建物を除却すると住宅用地特例が外れ、翌年度から固定資産税が最大6倍になる可能性がある点にも注意が必要です。
解体補助金を設ける自治体もあるため、事前に相談し費用負担を抑える施策を活用しましょう。

自分に合った売却方法の見極め方

建物の状態や資金状況、売却までの期間を総合的に考慮すると、最適な方法は変わります。
築年数が浅い場合は、建物付き売却が有利ですが、老朽化が進めば古家付きか更地売却を検討することになります。
早期売却を重視するなら、解体後に不動産会社へ直接買取を依頼する方法も選択肢の1つです。
最終的には、複数要素を比較し、負担の少ない方法を選びましょう。

まとめ

空き家を放置すると、老朽化や防犯面での懸念が高まり、周囲にも悪影響を及ぼすリスクがあるため注意が必要です。
「特定空家」に指定されると、固定資産税の優遇が受けられず、経済的負担が大きくなる可能性もあります。
売却や活用など複数の選択肢を早めに検討し、状況に応じた最適な方法で問題解決を図ることが大切でしょう。

(有)青葉住宅の写真

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